2022年、今年の世界を驚かす事件の1つとして、ロシアによるウクライナ侵攻があります。
この戦争は現在も続いていて、世界的に影響を与え続けています。

「驚いた」というのは、私を含めて多くの人が、21世紀の現代に主権のある国に対してあからさまに侵略をするのだろうか、ということだろうと思います。

1914年に始まった第一次世界大戦は、先に産業革命を経て工業化をはたした欧米列強が資源と市場をもとめた帝国主義戦争でした。
言わば、列強同士の「仁義なき陣取り合戦」と言えるでしょう。

ここに二度と戦争が起きないように、アメリカのウィルソン大統領の提案により「国際連盟」という平和の枠組みが作られました。

そしてしばらく平和が続くのですが、1929年ニューヨークの株式市場での株価の暴落により世界恐慌が起こります。
これによって世界は大不況に落ち入ります。
このとき、多くの植民地を持つ国(イギリス、フランス等=持てる国)は本国と植民地で経済を回そうとします。
一方植民地の少ない国(イタリア、ドイツ、日本等=持たざる国)は新たな領土の獲得を始めます。
果たして持たざる国と持てる国との衝突が、第二次世界大戦へと発展していきます。

結果的に「国際連盟」は機能を果しえなかったことになります。

そこで今度は、新たな平和の枠組みとして作られたのが、「国際連合」でした。

その後、1990年、みなさんが産まれる前、イラクがクウェートに侵攻するという出来事がありました。
これに対して「国際連合」はイラクへ即時撤退を求め、米ソは一致して武力行使容認を議決し、多国籍軍が構成され、
1991年クウェートが解放され終結しました。

ここで話をもとに戻します。

「国際連合」は、今回のロシアのウクライナ侵攻に対して機能しえたのでしょうか。
世界の正義は貫かれるのでしょうか。

戦争や戦いは、それぞれがそれぞれの立場で正義を唱えて戦うのです。

では、いったい正義はどこにあるのか。

正義とは言わないまでも、歴史は勝者の論理で動いてきました。

時には勝利者によって歴史が書き換えられたり、塗り替えられたりもします。

こう言うと、あなたの眉間にしわがより顔がゆがむのが目に浮かびます。

第一次世界大戦後の「国際連盟」の常任理事国は、戦勝国のイギリス・フランス・イタリア・日本でした。
敗戦国のドイツには、再び戦争を起こさせないためということを通り越してかなり感情的な莫大な賠償金が課せられます。

これが第二次大戦の一因にもなります。
続く第二次大戦の戦後処理については、終結前からアメリカのローズベルト大統領とイギリスのチャーチル首相会談によって大西洋憲章が草案されました。
常任理事国は戦勝国のアメリカ・ロシア(ソ連)・イギリス・フランス・中国の五か国です。

日本は10ヵ国の非常任理事国の1つです。
常任理事国入りを目指してこれまで多額のODA(政府開発援助)への支出をしてきましたが、門前払いです。
依然として勝者の論理が生きています。

第二次大戦後、「世界の警察」を実質的に担ってきたのはアメリカでした。
しかし、2013年オバマ大統領はテレビ演説で「アメリカは世界の警察ではない」と述べました。

今でも北朝鮮の核開発や中国の南シナ海での積極的な拡大主義や「台湾有事」などの戦争の火種はあります。

新しい平和の枠組みが強く望まれるところです。

広原校 戸越 勇夫

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