2021年のノーベル平和賞に、ロシアのドミトリー・ムラートフ氏とフィリピンのマリア・レッサ氏の2名のジャーナリストが選ばれました。

ムラートフ氏は、ロシアでプーチン政権を批判したジャーナリストが多数迫害される中で、政権に批判的な姿勢を貫きました。
レッサ氏は、フィリピンのドゥテルテ大統領の暴力的な麻薬取り締まりを批判しました。

みなさんは、「国境なき医師団」というのを知っていると思いますが、世界には「国境なき記者団」があり、文字通り国境を越えて言論や報道の自由を死守しています。

私たちは、彼らの活躍のおかげで、インターネットを利用して自宅に居ながらにして瞬時に国内外の出来事を知ることが出来ます。

しかし、流れてくる情報を鵜吞みにしていては、思わぬ落とし穴が有ります。
ウソやデマの情報です。
インターネットが普及する以前にも、確証のない事柄が実しやかに語られたことがあります。
たとえば、「1999年、人類は滅びる」と予言した『ノストラダムスの大予言』などです。
日本でこの著書が発刊された1973年は、確かに東西冷戦中で、日本では四大公害病の裁判中でした。
小松左京の『日本沈没』も同年刊行されました。
そしてこの年の10月には第一次オイルショックが起き、激しいインフレに陥りました。
この時代の世相は非常に暗くて、一部の人が「人類滅亡」説を信じたのかもかもしれません。
1999年から20年以上が経過しましたが、人類は滅亡していないようです。

今巷で話題になっているエネルギー政策に例をとりましょう。
今から50年程前は「石油はあと30年で枯渇する」と言われていましたが、今でも石油の産出は続いています。
1973年オイルショックの時は、供給が十分あったにもかかわらず、トイレットペーパーが無くなるというデマが流れ、人々がスーパーに殺到しました。

このころからエネルギーの効率化が図られ、化石燃料に代わって原子力発電が台頭してきます。
しかし、「絶対に安全」という安全神話は2011年の福島第一原子力発電所の事故で脆くも崩れ去りました。
同じく2011年の大震災の直後、民間備蓄のガソリンが放出されると、「ガソリンが無くなる」とガソリンスタンドに長蛇の列ができ、人々は日用品の買いだめに走りました。

アメリカの前大統領は、自分に対して批判的な報道に対しては、「これはフェイクだ」と叫び続けました。
そして自らは疑わしい情報を流しました。

言論や報道の自由は守れなければなりません。
しかし報道や発言は、自己にとって不都合な部分をカットして、都合の良い部分だけを発信されるということは有ります。
私たち情報を受け取る側は、自己の利益に固執せず、周りの意見に惑わされず、冷静に事柄を見る力を養いましょう。

広原校 戸越 勇夫

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