近年日本も国際化が進み、若者はどこにいってもこう言われる事が増えたのではないでしょうか。

「国際社会で生き残るためには、英語を勉強しなさい」

私がみなさんと同じ学生だった頃、「これからは英語だ」「世界で通用する人間になれ」と周りの大人から、言われ続け、英語が大嫌いになり、「日本から出ないから日本語頑張る」と言って反抗し、国語の勉強ばかりしていたものです。

 では、「国際社会で通用する人」ってどんな人なんでしょうか。

何をすれば「国際社会」とやらで生き残れるのでしょう。

少し私の経験の話をさせてください。私は大学生活の3年間をアメリカで過ごしました。

アメリカの大学には、多種多様なルーツを持った学生が通っており、クラスにアジア人は自分一人ということも多々ありました。

そんな環境で、英語ができない私は、始めの1年間発言するのが怖く、先生が話している事も3割分かれば良い方でした。もちろん友人もいませんでした。

そんな環境が変わったのが、数学のクラスを取ったときです。

因数分解のクラスだったので、中学校レベルの数学。大学でこんなクラスを取るのは恥ずかしいと思っていましたが、そこからミラクルが起こりました。

先生が私を褒めてくれた事でクラスメートから話しかけられる機会が増え、彼らとは大学数学のクラスまでずっとクラスメートとして共に学びました。

彼らは私のたどたどしい英語なんて気にしない、というような態度で(かといってゆっくり話してもくれませんでしたが)、数学のクラスが始まる前はいつも皆で前の席に座り、

宿題の解法や数学の疑問について皆で考える時間がとても楽しくなりました。

それから私は変わったんだと思います。

自分や考えを過小評価するのをやめ、「これが私の考えていること」と自信を持って発言することが増えました。ハイキングが趣味になり、毎日早朝から山に登って授業に行くほどアクティブにもなりました。

 さて、「国際社会で通用する人」とはどんな人なのか。

この答えは人それぞれかもしれませんが、

私が考える答えは「自分の好きな事をとことん突き詰め、発信できる知識人」です。様々なルーツを持つ人が集まる国際社会では、意見や判断が不安定になりがちです。

文化や習慣の違いでトラブルも多くなるでしょう。

そういった環境の中で、確固たる自分の意見を持ち、好きな事を追求していく。そして知識を持つということは、他者からの信頼を得られ、自分の自信にも繋がる。

人と同じ人になる必要は全くありません。

 みなさんはこれから様々な知識を蓄え、いろいろな経験をし、素晴らしい出会いをするでしょう。

その中で成長していけば、自ずと「国際社会で通用する人」になるのです。

必ずしも英語が得意である必要はありませんが、「英語」という知識は国際社会で一番使えるので、そういった意味で、自分の身の回りのことを英語で説明出来るレベルは知っておいたほうがいいと思います。

エスペダル舞